主な研究成果
近年の主な研究テーマ
(1)基礎的な研究
- ○ミスの連鎖の発生メカニズムに関する基礎的研究
- ○高覚醒水準下の注意特性に関する基礎的研究
- ○人間−機械系の作業の潜在的リスク把握のための分析手法(FRAM)
- ○ワークエンゲイジメント(指標)と安全行動の関連の検討
(2)社員のヒューマンファクターに関する研究
- ○運転士等の眠気予防策に関する研究
- ○夜勤時の眠気に関する研究
- ○運転士と車掌の連携に関する研究
- ○異常時の対処法に関する研究
- ○ホーム柵が運転士に与える心理的負担についての研究
- ○ヒューマンファクター教育の効果測定
- ○ヒューマンエラーに起因する鉄道事故の防止に関する一考察
(3)人と装置とのインターフェイスに関する研究
- ○人と装置とのインターフェイスに関する研究
- ○旅客流動確認モニターの検証
- ○試験用発光機の試作と視認性の測定について
- ○列車運転時における警報音の適正な音量に関する研究
- ○227系運転台前面パネルの機器配置に関する研究
- ○新型車両導入時の運転士の習得度の変化について
(4)お客様などのヒューマンファクターに関する研究
- ○ホーム上の酔客対策の研究
- ○駅でのスマートフォン利用に関する調査
- ○鉄道トンネル火災事故における避難行動と救助活動
- ○踏切道における高齢歩行者の行動特性
あんけんvol.11〜研究成果レポート〜
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列車内閉じ込めに遭遇した乗客の心理状態に関する研究
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長時間にわたる列車内閉じ込めは、乗客の心理状態(不満感、不安感)を悪化させる恐れがあります。本研究では、長時間にわたる列車内閉じ込め場面を想定した集合型アンケートを実施し、列車内に閉じ込められた乗客の心理状態やそれらを悪化、緩和させる要因などを明らかにしました。
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コミュニケーションエラーの発生要因に関する研究
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コミュニケーションエラーにより発生する事故や事象は少なくありません。例えば「必要な情報を相手に伝えることができなかった」「伝えた内容が相手に正しく理解されなかった」「他人に対する指示を自分に対するものと聞き間違えた」などにより、さまざまな事故、事象が発生しています。これらの事故、事象を防ぐためにもコミュニケーションエラーを減らすことが必要です。そこで本研究では、コミュニケーションエラーを体系的に分類し、その発生要因を整理しました。
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列車出発時の車掌の判断に関わる危険感受性の調査について
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駅から列車を出発させる際、車掌が安全確認をした上で、運転士に出発合図を送ります。車掌は、まず列車のドアにお客様や手荷物が挟まれていないこと、ドアの開閉状態を示す車側灯が消灯していること(消灯の場合、ドアが閉まっていることを示します。)を確認し、更にホーム上の旅客の状態等を確認して、列車を出発させるかどうかを判断します。しかし、乗務路線や時間帯などでお客様の行動は異なり、車掌によっては列車を出発させる判断が異なる可能性も考えられます。そこで、列車を出発させる場合に、ホーム上のお客様がどういった状態になると、列車を出発させることができない危険な状態と判断するかを把握するため、現役車掌を対象に調査を行いました。
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運転士見習の技能講習に関する研究 ―未修了者の低減に向けてー
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運転士見習(以下、「見習」とする。)が現場配属後の技能講習で精神的・身体的な不調から未修了となるケースが毎年発生しています。動力車操縦者養成所(以下、「養成所」とする。)では学科講習中に見られた見習の性格等について配属先と共有することで、一人ひとりにあった技能講習に繋げる等、未修了者の低減を目指した取組みを行っています。この取組みをさらに効果的なものとするために、これまでの調査では、見習の性格や行動に関する特性のうち技能講習を修了するか未修了になるかに関係すると思われる34 個の特性を用いて、現場区所の指導担当者に見習を評価してもらうことで、特に関係が見られた27 個の特性(表1)を抽出しました。また、指導操縦者との人間関係が悪かった見習に未修了者が集中している傾向が見られました。今回の調査では27 個の特性について評価者を変え、見習が修了するか否かに直接関わる項目と指導操縦者との人間関係に関わる項目の2つの観点からの分析を行いました。
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実踏切での踏切横断に関する実態調査
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2016 年度の調査では、踏切支障(踏切を通行する歩行者や自転車利用者によって列車に遅延が生じた事象)発生時の踏切映像分析を行いましたが、踏切通行者の普段の様子まではわかりませんでした。そこで、踏切通行者の交通量調査を実施し、踏切警報機鳴動後に踏切内に進入する交通ルール違反者(以下、「違反者」とする。)や、踏切内に閉じ込められる通行者(以下、「トリコ」とする。)がどの程度発生するか確認しました。
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効果的な踏切標識に関する研究
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2015 年の国土交通省の調査によると、遮断桿も警報機も設置されている第一種踏切の過去5年間の踏切道100 箇所あたりの踏切事故件数は0.82 件となっています。一方、遮断桿がなく警報機だけが設置された第三種踏切での件数は1.03 件に上ります。つまり、道路交通量や列車本数が多い、あるいは列車速度が速い傾向にある第一種踏切よりも、実はそうではない第三種踏切の事故発生率がより高いことがわかっています。そのため、本研究では、この第三種踏切での事故防止のために、自動車ドライバーの一旦停止行動を促進する踏切注意喚起標識を開発することを目的としました。
特に今回は、事故分析や心理学的知見に基づいて作成した種類の標識のうち、どの標識が最も一旦停止行動を促進するのかについて、ドライビングシミュレータを用いて検討しました。
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認知コントロールの基礎的検討
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これまでの実験では、トラブル発生時、驚き・慌てを中心とする情動が起こると、その後のエラーも起こりやすくなることが示されました。これとは別に、情動が関わらない条件であっても連鎖エラーが生じる場合があることも示されました。本研究では、情動以外にエラーを誘発させる要因として、注意の選択や配分を行う活動と関係する認知コントロールに注目し、単純な課題を用いた基礎的な検討を行いました。
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騒音下における位置及び距離に対する言葉の聞き取りやすさの調査(明瞭度試験)
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異常時対応の現場や事務所、指令室などは、様々な言葉が飛び交うことで、非常に騒がしい環境となります。しかし、そのような状況下においても、離れた相手に対して、口頭で指示などの情報を正確に伝える必要がある場面があります。そこで、騒がしい環境下における、相手との位置や距離の違いによる言葉の聞き取りやすさの調査を目的として、明瞭度試験を行いました。
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過去の主な研究成果について
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平成28年度まで
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平成27年度まで
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平成26年度まで
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平成25年度まで
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平成24年度まで
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平成23年度まで
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平成22年度まで
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平成21年度まで
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平成20年度まで
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平成19年度まで
いずれも無断複製厳禁です。
教材の発行と社内外への配布
事例でわかるヒューマンファクター
2007年3月には研究の成果を安全教材『事例でわかるヒューマンファクター』として発行、全社員およびグループ会社へ配付しました。4月には安全研究所員が各支社に赴き、教材のコンセプトやヒューマンファクターの定義、現場における教材の活用法などについて出前講義を行っています。
また、社内だけではなく社外からも高く評価され、業界を越えての安全への取り組みを呼びかけました。この教材は、専門家からの評価も高く、多くのメディアにも取り上げられ、業種を問わず注目されています。
鉄道に携わる係員として最低限知っておくべきヒューマンファクターに関する事項(32項目)を抽出し、身近な事象を例にあげ、イラストや図表を豊富に盛り込んだわかりやすい内容としました。(A4版100頁)
第1章、第2章では、「からだ」や「こころ」の働きによって生じるエラーについて紹介。
第3賞、第4章では職場(集団)で発生しがちなエラーなど、事例をもとにその対策方法を紹介しています。
事例でわかるヒューマンファクター2
2017年3月には『事例でわかるヒューマンファクター』の続編として、前書と同様に学界の知見等も参考にしつつ、現場第一線の管理監督層に知ってほしい事項を盛りこんだ教材を発行、現場第一線の社員およびグループ会社へ配付しました。
管理監督層として実践して欲しい事項(7項)を抽出し、前編より、ステップアップした内容ではありますが、身近な事象を例にあげ、イラストや図表を豊富に盛り込みわかりやすく解説しました。(A4版50項)
この内容についても安全研究所が各支社に赴き、教材の活用法などについて出前講義を行っています。
眠気防止ガイドライン
2009年11月に運転士のための眠気防止ガイドラインを発行しました。安全研究所では、乗務員への眠気防止対策として、学界の知見を参考に、眠気防止に必要と考えられる、個人の「身体や睡眠のメカニズム」を知ってもらう研究をおこなってきました。
また、これまで乗務員区所を中心に眠気防止対策への講義を行ってきましたが、電気や施設社員へも夜間作業に発生する、交通事故防止の対策として、眠気防止への講義を実施しています。(A4版53項)






